時代に逆行する委任拒否

一般社団法人鍼灸マッサージ師会
代表理事 高橋 養藏

みなさんもご存知とおもいますが、療養費の委任払いを中止するという連絡文書が「保険者機能を推進する会」という団体より当会に送付されてきました。委任払い中止の理由について「療養費の原理原則に基づき、また給付の確実性を担保するために」と送付された文書のなかで述べています。

マッサージ治療の療養費、鍼灸治療の療養費申請において不確実といわれるような事態があるでしょうか。はり、灸治療の保険適用は、神経痛、リュウマチのような原因不明の慢性的疼痛を主症とする疾患だけに限られ、しかもこの事を証明するために、療養費の申請にあたっては医師の同意書の添付が義務付けられています。

また、マッサージ治療の保険適用は、関節の拘縮、筋麻痺だけに、極めて狭く限定されており、療養費の申請にあたっては医師の同意書を添付し申請を行っています。

患者一人ひとりの権限によって、民法の643条の規定に従い、委任を受け療養費の申請を行っていますので、「不確実」というような問題はありません。療養費の原則は被保険者(患者)申請というのはその通りですが、患者の利便に配慮し、患者の権利を尊重する医療の流れに沿い、委任払いがひろく保険者の方々にも受け入れられてきたのです。

委任払いの中止は、合理的な理由なく極めて狭く限定しているはり・灸治療およびマッサージ治療の保険適用を、煩雑な申請支払い方法を患者に強制することによりさらに制限することにつながります。

患者の健康維持を考え、患者が希望する治療はもう少し利用しやすいように、患者の立場から改善を考えなければなりません。

近年、慢性疾患などの治療や健康の増進に、その国々の伝統医療を再評価し活用する方向が世界的に強まっています。とくに、はり治療、指圧、あん摩などの治療は、日本や中国の枠を超えてヨーロッパ、アメリカでも治療効果の評価が高まっています。

自国の伝統医療の活用のため、あん摩マッサージ指圧師や鍼灸師の治療を療養費扱いという、健康保険制度の外に置く差別的行政こそ改められるべきです。

療養費の委任払いの中止は、国民の要望、時代の要請に反するやり方であり、再検討されるべきと考えます。患者の方々、施術者や施術者団体のみなさんともに声を上げましょう。

前
適正な申請を!
カテゴリートップ
TOP

お問い合わせフォームへのリンク TEL03-3299-5276 FAX03-3299-5275